怪談の夏、日本の夏
夏といえば、毎晩のように深夜放送される「怖い話」系が、ただひたすらに大好きな私。
稲川サンの怪談話などは、再放送されまくり、それ見まくりで、おそらくあの独特の稲川節で以って、自分で何話かは語れると思います。
とんだ自家発電です。
近頃の「幽霊」は、あのジャパニーズホラーブームを巻き起こした「貞子」以降、
判を押したかのように 「白い服」「ぼさぼさの長い黒髪」「這い蹲る動き」。
ジャパニーズホラーを見る度に、
「またお前か!!」
と幽霊に対して怒り出したくなることもしばしば。
没個性にもほどがあります。
YOU、もっと自分をさらけ出しちゃいなよ。
ホラー界のカリスマ、ファッションリーダーみたいなものでしょうか、貞子。
安室奈美恵、浜崎あゆみ、そして貞子。
そんな怪談の夏日本の夏、そろそろアニメ化してもらいたいのが
中山昌亮のコミックス「不安の種」。
「不安の種」全3巻、「不安の種+」全4巻と、ホラー物としては充実の内容。
ひゃっほうぅ!ありがとう秋田書店!
しっかりとした人間描写を綴った、いい意味で「地味」な作品が得意な中山昌亮ですが、
その持ち味が、ホラーという意外なジャンルで、遺憾なく発揮されています!
「この先どうなるの?!」というところで終わって、どんどん次の話を読ませる「オムニバス形式」は、まさに「不安の種」を植え付けられているような感覚。
「日常」に潜む「異質」。
いつもの変わらない毎日に、突如姿を見せる「異質」なものの形。
その「異質」の造形が、もう素敵に気持ち悪くて堪りません!!
この夏、「幽霊」は貞子を脱ぎ捨てて、一歩踏み出していただきたい!
脱・貞子に向けて踏み出した彼らを、是非コミックスでご覧下さい。
そうですね、アニメ化はやっぱり作画が綺麗だといいですね