ワンダフルライフ


『あなたの人生の中から大切な思い出をひとつだけ選んでください』
人は亡くなったら、天国の入口でそう問いかけられます。
選択期間は3日。
選んだ思い出は職員の手によって映像化され
その上映会後、死者はその思い出を胸に「あちら(天国)」へ。
永遠の時間を約束されるわけです。
先日、約10年ぶりに観なおしたんです。

ワンダフルライフ [DVD]
ワンダフルライフ [DVD] ARATA, 小田エリカ, 寺島進, 内藤剛志, 是枝裕和

バンダイビジュアル 2003-03-28
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10年前の自分と現在の自分を比較すると当然10歳年齢を重ねているわけで・・・。
私自身、当時とはまったく異なる環境にいますので映画の感じ方も変わるものですね。
当時の感想は「漠然と良い映画やなあ〜」と感じたようで、
観なおすまでもそんな感覚でしかありませんでした。
ただ、10年を経て観なおすと感情移入する出演者がまったく異なるんですね。
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恐らく当時の私は伊勢谷くん(伊勢谷友介・本名で出演)に感情移入してたような気が・・・。
未来に希望を持って生きていたのに、若くして命を失う。
過去を振り返って、その中から思い出を選択することなんてしたくない。
自身の将来、夢を持って「あちら」へ行きたい。
そう思っていたのかも知れません。
自分なら自身の死を受け容れることができるのか・・・?
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ところが今回、私が感情移入したのは渡辺さん(内藤武敏)。
戦争で許婚を亡くした京子さん(香川京子)と見合い結婚をした男性です。
平凡な結婚生活。
亡くなった許婚に嫉妬する気持ちもあり・・・。
自分の人生に誇りを持てない渡辺さんに、どこか共感しました。
渡辺さんの思い出の選択に熱心に付き合う望月(ARATA)。
その望月の熱心さに何かを感じ取るしおり(小田エリカ)。
ここから先は映画をご覧になって確かめてもらった方が良いでしょう。
この映画では様々なキャラクターが自身の思い出話を好き勝手に話しています。
まるでドキュメンタリーを観ているようです。
十人十色と言いますが、まさにその通りです。
他の人の思い出を観るのも良いですよ。
あなたなら、人生最後にどんな思い出を選びますか?
そして、誰の思い出になりたいですか・・・?